こんにちは、かずです。
今回は臨床医学ではどんなことを学んでいるかの記事第3弾ということで、膠原病、神経疾患、整形外科疾患でどんな内容を勉強するのか書いていこうと思います。
前回の記事では血液疾患、画像診断学、腎臓疾患でどんなことを勉強するかについて書いています。興味のある人は下のリンクから読んでみてくださいね。
後にも書きますが、今回の記事で解説する分野は特に基礎医学と強い関係がある分野で、基礎医学の理解度と疾患の理解度が直結します。
まだ基礎医学を学んでいる途中の人は、今自分が学んでいる知識はこんな風に使うんだと想像しながら読んでみてくださいね。
それでは早速見ていきましょう!
膠原病
自分に対する免疫反応による病気、免疫学と直結している!
まず膠原病についてみていきましょう。
膠原病とは、簡単に言えば様々な理由で自分に対して免疫反応が起こり、それによってさまざまな症状が引き起こされる病気です。
こう書くと簡単そうに見えますね?
でも簡単ならあまり重要にならないわけで、もちろんこの分野にも難しいポイントが存在します。
その難しいポイントというのが、この分野の病気は症状が非常に多彩であり、かつ合併症がよく起こる点なのです。
どういうことなのか詳しく説明しましょう。
例えばこの分野でも特によく出てくる疾患にSLEという疾患がありますが、この疾患の診断基準、なんと11個あります。
診断基準というのはこれを満たしていればSLEと判断できるという基準であり、SLEと診断されるには11項目の内4つを満たす必要があります。
しかも、この診断基準の中に関係なさそうな腎病変やら関節炎やらが入っているのです。
これだけでもなかなかめんどくさそうですが、こういう疾患を何種類も覚えなければならず、さらにそれらに応じて見つかりやすい抗体なども覚えなければいけません。
これらの疾患は体内の物質対して抗体が作られ、それにより反応が起こることが多いのです。
使う薬なども病気によって異なりますし、実際は覚えることが多くかなり大変な分野なのです。
勉強のコツ:免疫学とどう絡む?
と、ここまでめんどくさそうなことを書いてきましたが、免疫学を勉強していればちょっとだけ楽に覚えることができます。
先ほどの例では、腎病変は抗原と抗体、補体が結合した免疫複合体により糸球体が障害されて起こると考えれば説明がつきます。
また、関節リウマチの薬のTNF阻害薬などは、免疫学で習うことをもろに利用しており、TNFが何かが分かっていればすぐに覚えることができるでしょう。
このように、今までの知識と関連付けながら勉強していけば理解も深まり覚える量も減らせるので、めんどくさがらずに基礎医学の勉強を頑張ってみてください。
ただ、もちろん抗体の名前など免疫と関連付けられないものもあるので、それは普通に覚えましょう。
こんな感じで膠原病とは何か分かっていただけたと思うので、神経疾患についてみていきましょう。
神経疾患
神経の異常で起こる病気、神経解剖学が非常に重要!
次は神経疾患についてみていきましょう。
神経疾患とは簡単に言えば神経や脳が障害されて起こる病気です。
この分野の特徴は、脳梗塞、てんかん、認知症などの有名な疾患が複数あり、またそれ以外にも重症筋無力症やギランバレー症候群など症状が特徴的な疾患が多数あることで、それ故に試験にもよく出題されます。
CBTのクエスチョンバンクにも、神経疾患分野の問題は他の分野より多く出題されていました。
ただ、先ほどの膠原病分野のようにややこしいということはなく、疾患発生の機序が理解できていれば症状などを暗記する量は減りますし、疾患同士がこんがらがることもなくなる印象です。
しかし、逆に言えば疾患発生の機序が分からないと、暗記量が増えそれぞれの疾患を混同することが格段に増えるでしょう。
例えば脳梗塞は脳血管の詰まる部位によって症状が異なるのですが、脳の構造と血管の走行が分かっていないとすべて暗記になってしまいます。
また脳腫瘍にしても、腫瘍によって周辺部位が圧迫されることで症状が起こるのですが、脳のどこに何があるか分かっていないと、どういう症状が出るかなど混同してしまうと思われます。
こうならないためにも、神経解剖学の勉強をちゃんとしておきましょう。
勉強のコツ:神経の走行、役割などを理解しておく
神経疾患の勉強のコツは、神経核の位置、神経の走行、役割、血管の走行等を理解しておくことです。
というのも、これらのことが分かっていれば、病変が起こっている部位、それによって何が障害されているか、発生する症状を理解することができるのです。
特に4年生で習うレベルであれば、ほとんどの場合典型的な症例しか出てこないので、これを覚えておくとすごく楽になります。
最初のうちは大変かもしれませんが、神経解剖学の知識を呼び起こして頑張りましょう。
整形外科疾患
筋肉、骨の異常で起こる病気、解剖学で骨や筋肉を覚えておくと楽!
最後に整形外科疾患について説明しましょう。
整形外科疾患は簡単に言えば筋肉や骨の障害を扱う分野です。
骨折をした時にお世話になったという人もいるのではないでしょうか?
この分野で扱う疾患としては骨折や筋肉、靱帯の損傷などが有名ですが、それ以外にも骨腫瘍や関節の疾患などがあり、骨や筋肉、腱、関節などの体の器質的な疾患なら整形外科の分野に入ると考えるといいでしょう。
続いて勉強面のことについて書いていきます。
勉強のしやすさとしては、(CBTレベルでは)膠原病のように症状がややこしいということはなく、神経のようになじみが薄いものでもないため、比較的取り組みやすい印象でした。
QBでは画像を見せて判断させる問題が多かったので、画像所見をしっかり覚えておくといいかもしれません。
勉強のコツ:手と足の骨、筋肉は覚える
整形外科の勉強のコツは、とりあえず手足の骨や筋肉を覚えることです。
というのも、手や足の骨、筋肉の名前、デルマトームなどは前提知識とされている感じだったので、まず解剖学をしっかり復習しておきましょう。
また、画像診断の問題に関しては、Googleの画像検索を使って色々な画像を見ることで何となくわかってきたりもしたので、もしよければ参考にしてみてください。
下の記事に詳しく書いています。
まとめ
意外と基礎医学の知識を使うことが多い!
機序を理解して記憶量を減らそう!
解剖学実習はしっかりやっておこう!
いかがだったでしょうか?
以前、基礎医学が大切だという記事を書きましたが(この下の記事ですね)、今回の記事でどういう風に大切かが分かっていただけたと思います。
記憶ばかりで辛いとは思いますが、いずれその勉強がこのように生きてくるので頑張ってください。
それではまた次回。
コメント