こんにちは、かずです。
今回は、ある外病院の病理診断科でのポリクリ実習について書いていこうと思います。
皆さんは、病理診断と聞いてどのようなことを思い浮かべるでしょうか?
…まず言葉すら聞いたことがないって感じですかね?
あるいは芦田愛菜さんの「病理医になりたい」という発言から、名前だけは知っているという感じでしょうか?

医学生でも、低学年であれば、何をやっているのか全く知らないという人が多いのではないでしょうか?
まあ、実はこれを書いている僕も、恥ずかしいことに実習に行くまで、病理診断科がどんな仕事をしているのか詳しく知らなかったのですが
1ヶ月実習に行ってその面白さに触れ、色んな人に興味を持って欲しいと考えた+自分が学んだことを忘れないために、こうして記事にすることにしました。
もちろん、病理を全く知らない人でも読めるように、病理診断科が普段何をしているかから説明していくので、みなさん安心して読んでみてください!
それでは早速見ていきましょう。
そもそも病理学とは?
病気のメカニズムを調べる学問!
まずは病理学について軽く書いていきましょう。
病理学の定義とは何かという話ですが、簡単に書くと「病気の原因と、病気によって生じる体への変化を調べる学問」ということになります。

例えば、この遺伝子がおかしくなれば、ある癌が生じる、この癌によって、血の成分がおかしくなり簡単に血が出るようになる。みたいな話ですね。
ただ、これはどちらかと言えば学問としての定義であって、臨床(患者さんがいて、治療が行われている現場のことを臨床と呼びます)において、メカニズムを調べるということはあまりありません。
では臨床においての病理学がどういったものかと言えば、手術で採取された患者さんの組織を見て治療に役立てたりだとか
死因を詳しく調べて報告したりだとか、「詳しく調べて診断をつける」という役割が中心になります。

病理診断科という名前の通りですね。
なので、病理に進もうと考えている場合には、病理の臨床と研究は少し毛色が違うということを頭に入れておかなければいけませんね。
病理診断のポリクリ
僕の場合はCPCを行うことが目標だった!
さて、病理がどういったものか分かっていただけたところで、次は病理診断のポリクリ内容について書いていきたいと思います。
といっても、病理診断学を選択する学生は少なく、僕がお世話になったところと、自大学での実習位しか知らないのですが
その2つに共通した実習の最終目標というのが、CPCを行うというものでした。

CPCというのは臨床ー病理検討会と言って、ある患者さんの病気や死因について詳しく調べて、主治医も交えて治療方針や病態などを検討するというものです。
が、まあもちろん、国試すら終えていない学生に、臨床をバリバリやっている医師と討論できるはずはありませんよね。
ということで、指導医の担当している症例の内1つを共同で担当するという形にしてもらい、指導医や他の先生方の助けを借りながら
1ヶ月の時間をかけて(最後は科のすべての先生に手伝ってもらって)、何とか主治医の先生に発表するまでに至りました。

その後の検討会は非常に高度で、ただ座っているだけでしたが、それでも凄く勉強になりました。
と、ポリクリの最終目標が分かっていただけたところで、次はそれまでに何をするのかについて書いていきましょう。
実際にやったこと
毎日顕微鏡とにらめっこ&勉強!
CPCの発表までにやるべきこと、それはやはり、ひたすら組織と向き合い異常所見を探すこと、そしてそれを見つけられるように勉強することです。
先ほど書いたように、病理診断は治療方針の決定や死因の分析などに極めて重要な役割を果しています。
これが可能になるのは、病理の先生方が小さい病変やちょっとした異常であっても、ちゃんと発見してくれるからなんですね。
逆に言えば、病理診断を行うには、それだけ小さな違いも見つけられなければいけませんし、ちょっとした異常も見つけられなければいけません。
そのためには、まず正常な各組織がどのように見えるかを知り、次に代表的な異常所見を学び、その上でしっかりと組織を観察する必要があるというのは、お分かりいただけるでしょう。

正常構造が分からない状態で異常所見を見ても、全く分からないんですよね…(実体験です)
ということで、ポリクリで病理を選択することを考えている人には、正常構造を勉強し、顕微鏡に慣れておくことをおすすめします。

ちなみに、ポリクリではこれ以外にも他の先生方のCPCに参加したりだとか、組織の切り出しに参加したりだとか、色々な経験ができます。楽しかったですよ。
まとめ
病理学とは病気のメカニズムを調べる学問!
臨床での病理の仕事は病気を詳しく調べて治療方針や死因を考えること!
病理のポリクリ前に正常構造を勉強しておく&顕微鏡に慣れておくのがおすすめ!
いかがでしょうか。
難しそうなことを書いていますが、いざやってみると意外と楽しかったりしますし、貴重な体験ができたりもするので、興味がある人はぜひ選択してみるといいと思います。

病理解剖の見学ができる所もあるそうですよ。
顕微鏡と仲良くしなければいけないのはどこでも同じだと思うので、それが嫌いな人はちょっとしんどいかもしれませんが…
と、この辺りで、今回は終わりにしたいと思います。
この他にも、医学部に関する記事や、勉強法についての記事も書いているので、興味がある人はぜひ読んでみてください。
それではまた次回。
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