こんにちは、画像診断医かずです。
かつて「医学生かずの呟き」としてスタートしたこのブログも、気づけば私自身が医師となり、現在は放射線科専攻医として画像診断やIVR(インターベンショナル・ラジオロジー)の世界に身を置くようになりました。
もちろん学生時代とは置かれた環境も、見えている景色も大きく変わり、その中でも特筆すべきは生成AIの台頭でしょう。
なぜ今、生成AIがこれほどまでに普及し「テキストコンテンツの価値」が問い直されているタイミングでブログを再開するのか。
「今さらブログなんて古いのではないか?」 「AIがすべて答えてくれる時代に、個人が文章を書く意味はあるのか?」
今回はそんな疑問に対する私なりの答えを、最近私がGeminiと話しながら練っているDIS(Digital Identity Synchronicity:デジタル・アイデンティティ同期)理論の観点を交えながらお話ししたいと思います。
ブログは意味がないのか
まず、世間一般で「ブログはもうオワコンだ」と囁かれている背景を冷静に整理してみましょう。
確かに、ブロガーを取り巻く環境は数年前とは比較にならないほど厳しくなっています。
以下に理由をまとめてみました。
1. 生成AIがライティングの仕事を代替している
ChatGPTやClaudeといった高度なLLM(大規模言語モデル)の登場により、標準的な知識をまとめるだけの記事、いわゆる「こたつ記事」やハウツー記事の価値は暴落しました。
AIは24時間365日、文句も言わずに数秒でそれなりのクオリティの文章を生成します。
2. 検索しなくてもAIが回答を完結させる
GoogleのSGE(Search Generative Experience)やPerplexityなどの登場により、ユーザーは検索結果のリンクをクリックしてブログを訪れる必要がなくなりました。
検索結果の最上部にAIがまとめた回答が表示され、それで満足してしまう「ゼロクリック検索」が加速しています。
3. 広告収益モデルの崩壊
アクセス数が減れば、当然ながら従来のAdSenseなどの広告収入も激減します。
また、AIが情報を要約して提示する際、元のブログ記事への導線は細くなり、収益を目的としたブログ運営は非常に効率の悪いビジネスになりつつあります。
これらの事実を並べれば、「今からブログを始めるのは意味がない」という結論に至るのも無理はありません。
しかし、私はこの状況こそが、逆説的に個人の発信に真の価値をもたらすと考えています。
ブログを書くことのメリット:DIS理論の視点から
ここで私が考えているDIS(Digital Identity Synchronicity)理論について触れさせてください。
DIS理論とは、一言で言えば「個人の専門性やアイデンティティをデジタル空間に同期させ、AIを自身の『拡張知能』として機能させるための戦略」です。

落合陽一さんのおっしゃる計算機自然のような考え方に近いですね。
なぜこんなものを考え出したのかですが
そのきっかけとして、ある時ふと「もしAIの答えが操作されていても、大半の人はそれに気づかないまま言いなりになってしまうのではないか」という考えが頭をよぎったのです。
そこでGeminiにその可能性を聞いてみたところ、権威性・信頼性の高い発言を重視して学習するため、基本的には1人の発言で回答は操れないという答えが返ってきまして
さらに権威性・信頼性とは何か聞いたところ、「専門家の意見や論文などが信用できるデータとして優先される。それらがない分野においては経験者クラスタを見つけ出しその発信を重視する」ということでした。
要するにDegital上で自分自身を明確に定義した上で発信することが、将来的にAIの回答につながる可能性があるのです。

幸いこのブログがあったことにより、私のDegital上での定義付けとして「医師」「ブロガー」などは確立されていると言えるでしょう。
で、そんなこんなでDISという大げさな理論名まで作ってGeminiと議論してたのですが
この理論に基づくと、ブログを書くことには全く新しい3つのメリットが浮かび上がります。
1. AIの「教科書」となり、自身のデジタルクローンを育てる
現代のAIは膨大なデータを学習していますが、それはあくまで「平均的な知識」です。
しかし、ブログを通じて私自身の独自の視点、例えば「灘校~医学部、そして医師という人生を経る中で感じること」や「趣味でやっているポケモンカードや鉱物に共通した美しさ」といった独自の一次情報を構造化して発信し続けることで、AIにとっての「最高品質の教科書」を提供することになります。
将来的にAIエージェントが普及した際、そのAIが「画像診断医かずならどう考えるか?」を正確にシミュレーションするためには、私自身の思考プロセスがデジタルデータとして公開されている必要があります。
2. AIにプロフィールを「正確に」読み込ませる基盤
TwitterなどのSNSの断片的な投稿だけでは、個人の深い思考や専門性は伝わりきりません。
体系化されたブログ記事は、AIが個人のアイデンティティを読み取る際の「構造化データ」として最適です。
ブログは、自分の専門性、価値観、活動履歴をインデックス化し、AIに対して「私は何者であるか」を宣言する聖域なのです。
これが同期されることで、AIを通じた情報発信やネットワーキングの精度は飛躍的に高まります。
3. 言語化能力の向上と思考の自己内省
これは以前の記事でも触れましたが、結局のところ、最も重要なのは「自分自身の能力に繋がる」という点です。
放射線科の読影においても、画像所見を言語化するプロセスが診断の精度を上げるのと同様に
複雑な社会情勢や経済、あるいは自身のキャリアについて執筆することは、脳内を整理し、自分だけの「答え」を導き出すトレーニングになります。
この「思考の深さ」こそが、AIを使いこなす側の人間に求められる最も重要なポイントだと思っています。
今だからこそ、できること
環境が悪化した一方で、実は今、ブログを再開・継続するための「追い風」も吹いています。
ブログ設営・運用のハードルが下がった
かつては数日かかったブログのセットアップやカスタマイズも、今やAIに指示を出せば一瞬です。
デザインの調整、SEOに適した構成の提案、誤字脱字のチェック。これらはすべてAIが肩代わりしてくれます。
つまり、筆者は「何を伝えるか」というクリエイティブな核心部分に100%集中できる環境が整ったのです。

実際に、僕もブログのスタイルやヘッダーの変更をずっとやりたかったのですが、Geminiに相談することにより楽にできました。
AIによる執筆時間の短縮
私はブログを「AIに書かせる」のではなく、「AIと共に書く」スタンスを取っています。
骨子の作成やデータの裏付けをAIに依頼することで、執筆時間は以前の半分くらいまで短縮できました。
3000字の考察記事も、AIという優秀なパートナーがいれば、多忙なレジデント生活の合間でも継続可能です。
「ライバルの減少」というブルーオーシャン
収益目的のライトなブロガーや、AIに淘汰されたサイトが次々と撤退しています。
ネット上の情報の質が二極化する中で、信頼できる「個人」の署名付き記事の希少価値は、相対的に高まっています。
今、この静かになった戦場で腰を据えて書くことは、長期的なパーソナルブランディングにおいて非常に有利に働きます。
まとめ:AIとブロガーの共存
- ブログの収益性は下がったというのは否めない
- Degital上での自己ブランディングとAIを組み合わせることで相乗効果が期待できる
- ブログは自己研鑽、自己ブランディングの両方において格好の場
生成AIの台頭は、ブログという媒体の「死」を意味するのではなく、「役割の純化」を意味するものだと思っています。
単なる情報の横流しはAIに任せ、私たちが書くべきは、AIには真似できない「固有の経験に基づいた洞察」と「意志」です。
今激変したブログを取り巻く環境の中で、みなさんも自己発信を考えてみてはいかがでしょうか。
それではまた次回。


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