こんにちは。画像診断医かずです。
今回は私が放射線科医になることを選んだ理由について書いていこうと思います。
以前私は記事で病理医になると書いたと思いますが、実はあの後も色々悩み、両方の科を回ってみて放射線科医になることを決めました。

こちらの記事ですね。興味がある人は読んでみてください。

その理由と、実際に働いてみて感じる放射線科のリアルについて、等身大の言葉で綴ってみたいと思います。
ぜひ最後まで読んでみてください。
放射線科医とは?
放射線を用いて診断や治療を行う科!
そもそも放射線科医は何をしているのかについて軽く整理しておきましょう。
「放射線科医」と聞いて、皆さんはどんな仕事をイメージされるでしょうか? 実は、放射線科の仕事は大きく分けて以下の3つの柱で成り立っています。
- 画像診断(読影):主治医が撮ったCTやMRI、レントゲンなどの画像を隅々まで観察し、必要に応じてレポートや電話などで所見をお伝えします。
- IVR(インターベンショナル・ラジオロジー): カテーテルという細い管を使って血管の中から治療を行います。出血や腫瘍に対して血管を詰める塞栓術がイメージしやすいと思います。カテーテルを動かす際にX線を用いるため、放射線科の仕事となっています。
- 放射線治療: 高エネルギーの放射線をがん細胞に照射し、切らずにがんを治す治療です。放射線物理学を駆使して、ミリ単位の精度で治療計画を立てたり、外来で治療効果を判定したりします。

実は放射線治療は私の属する医局では専攻できないため、私は読影とIVRを主に学んでいます。
放射線科=読影=究極のインドア派と思われがちですが、実際には緊急IVRで呼ばれることもそれなりに多く、意外とバイタリティが求められる科となっています。
放射線科専攻医の実際
とは言ってもQOLはかなり高い!
まあ、概要を読んでてもイメージしづらいと思うので、ここからは私が専攻医として普段どのような生活を送っているのか、そのリアルをお話ししましょう。
私の1日は、その日に「アンギオ(IVR)」があるかどうかで大きく変わります。
アンギオがある日は、重いプロテクター(鉛入りの防護服)を身にまとい、カテーテルを使って肝臓の血管を詰めたり、CVポートなどのデバイスを留置したりしています。
ただ病院の特性上、私の入る手技は平均で週3件程度であり、残りはひたすら読影室でCTやMRIなどの所見をレポートにまとめる読影業務を行っています。

手技と読影の割合は病院により様々で、もっと大きな手技を沢山行っている病院では、読影業務の割合は自ずと減るでしょう。
ポイントとして、患者さんの容態に合わせて動かなければならない業務がないことが挙げられ、その点ではQOLは高い科であると言えるでしょう。
一方で、意外と緊急対応が求められる科でもあり、CTやMRI室で造影剤の副作用が起きればすぐさま現場に駆けつけますし、どうやっても止まらない出血は夜間でも止めにいくことがあります。
つまり、普段は自分のタイミングで休みながら読影で頭を回し、時折手技が入ったり緊急対応があったりと、忙しいながらも帰る時間は調整可能でメリハリのある科と言えるでしょう。

色々な科を周り、その都度悩みましたが、病気の診断ができ、かつ繊細な手技もできるというところに惹かれてこの科を選びました。
でも、この放射線科、読影業務が今AIに取られそうという懸念がまことしやかにささやかれているのをご存じでしょうか。
次はそちらの問いについて書いてみましょう。
AIにとられそうという懸念と働いていて感じること
少なく見積もっても10年はかかる!
よくいただく質問の一つに、「AIに仕事を奪われるんじゃないですか?」というものがあります。
昨今のChatGPTなどの進化を見ていると、そう思われるのも無理はありません。
しかし、現場で働いている私の実感としては、「読影業務が本格的にAIに取って代わられるには、少なく見積もってもあと10年以上、あるいはもっと長い時間がかかる」と考えています。
その理由はいくつかあります。 まず、文章の生成とは異なり、CTやMRIなどの医療画像は個人差が非常に大きいことが挙げられます。
例えば、術後で臓器の配置が変わったり、金歯や金属物が留置されていてアーチファクトという余計な線が入ってしまったり。
また、症例数が極めて少ない稀な疾患などは、AIが学習するためのデータそのものも不足しています。
画像診断は単なるパターン認識ではなく、患者さんの背景や過去の経過を統合して判断する一筋縄ではいかない作業なのです。

ネットで見落としのニュースがあると、決まって「AIを導入しろ」とコメントする人がいますが、意外とまだまだAIも発展途上なのです。
さらに大きな壁が「責任の所在」です。
もしAIが見逃しをした場合、誰が責任を取るのか? 医師法との兼ね合いや法整備の議論は、まだ始まったばかりです。

責任責任とうんざりするかもしれませんが、AIのミスでの訴訟がAIを作る企業への致命的ダメージになりかねないので、しばらくは医師が最終責任を取ることになるでしょう。
ただし、いくら直近で奪われることはないといえど、将来を見据えた「防衛策」は必要だと考えています。
そして個人的には、一番の近道は、「IVRの手技をある程度できるようにしておくこと」だと思っています。
というのも、IVRの手技というのは、「絶対的な正解がない」かつ、「極めて直感的」に「ミリ未満での細かい修正」を行うからです。

実際に手技に入ると、少しワイヤーの曲げ方を変えるだけで、入る血管が全く変わるということが分かります。標的の血管に進めるために、ワイヤーを術中に感覚的に調整するので、データに残すのが極めて難しいのです。
つまり、データの蓄積が一番難しい分野であり、かつ低侵襲であることからこれからもIVRは残り続けると思われ、最後までAIに奪われない手技となる可能性があるのです。
まとめ
- 放射線科は忙しさと休みが両立できメリハリのある科
- AIが読影業務を奪うのは当分先
- IVRはある程度学んでおいた方がいい
いかがでしょうか。
この記事を読んで放射線科に興味を感じた人は、まずは研修期間のローテーションで放射線科を回ってみることをお勧めします。

ずっと座って読影するのが耐えられないという人が意外とおり、それもまた適正だと思うので。
ちなみに、この記事はAIの下書きからほとんど改変しております。というのもAIに任せると
「AIという波が来ている今だからこそ、それをツールとして使いこなしつつ、人間ならではの視点と技術を磨いていく。そんな放射線科医としての道を、これからも一歩ずつ歩んでいこうと思います。」
というクサいセリフばかり書くので。

こういうところもまだまだだなぁと思います。
ということで(?)、これからも私の日々の気付きや学びをこのブログで発信していきますので、どうぞよろしくお願いします。
それではまた次回。


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