こんにちは、かずです。
今回は昨日MVが公開された米津玄師さんの新曲、「POP SONG」について考察(というか思ったこと)を書いていこうと思います。
まだご覧になっていない方のためにリンクを貼っておきます。あんまり邦楽は聞かないという人も、ぜひ一度見てみてください。
このブログをよく読んで下さっている人ならご存知だと思うのですが、実は僕は普段、全くこういう記事を書かないんですね。
じゃあなぜこの記事を書くに至ったかというと…
純粋にMVがすごくて感動したためです!
厳密に言えば、いつも米津さんのMVには感動しているのですが、今回は特に感動したということです。
一体何がすごくて感動したのか、一見意味の分からないこのMVと歌詞は何を表しているのかを書いていこうと思うので、興味がある人はぜひ最後まで読んでみてください。
それでは早速見ていきましょう!
そもそもどういう経緯で作られたか?
米津玄師さんとPlayStationのコラボCMのために?作られた!
この難解なMVを理解するためには背景を知る必要がある、ということで、まずはどういう経緯でこのMVが作成されたのかについて書いていきます。
といっても、大々的に宣伝されていましたし、この記事を読むほど米津さんが大好きな方ならご存知だと思いますが、この曲は米津さんとPlayStationがコラボCMを作成する際に、米津さんが提供した曲なんですね。
一応「このCMのためだけにこの曲を書き下ろした」という情報が見つからなかったので、「コラボCMのために?」と記載していますが、MVに出てくる石の形がリモコンの形になっていることから、ほぼこのためにと言えるでしょう。
ちなみに、米津さんは曲だけにとどまらずCMのコンセプト企画にまで参加されたそうですが
相変わらず多彩な方です。CM制作の経緯はこの下のリンクから読めるので、詳しく知りたい方はぜひ見てみてください。
実は、この「米津さんがPlayStationのCMのために提供した曲」という点が、このMVを読み解き、また米津さんのすごさを示す鍵となっているんです。
一体どういうことか、次の章で詳しく説明しましょう。
ゲームとは何か?
不必要なものと思われがち!
突然ですが、皆さんは「ゲームとは何か?」と聞かれたらどう答えるでしょうか?
楽しいもの?コミュニケーションツール?人生を豊かにするもの?あるいは無駄なもの?
色々な答えがあると思いますが、日常生活に欠かせないものと答える人は中々いないでしょう。
例えば無人島に持っていくものを1つ選ぶとして、ゲームを選ぶような人はまずいないでしょうから。
一方コロナが流行し始めてすぐの頃、米津さんはあるインタビューでこう話していました。
まず、音楽家は不要不急のものなんだなと思いましたね。「不要不急」という言葉を、耳にタコができるくらい聞いた。生活に必要最低限のものを選んでいくと、音楽は最初のほうに「いらない」と言われるものであるし、中でもライブハウスはいまだにちゃんとした運営ができない状態にあって。それはそうだなと思う反面、そういう言葉を目の当たりにしたときに、じゃあ自分の人生は不要不急なものなんだなって。なくても別に生きていけるというか。ーー中略ーー誰が何を言おうと、自分にとって必要なものは自分にしかわからない。それこそ音楽がなければ本当に死んでしまう人がいるかもしれない。生活に本当に必要最低限のものだけを残していったとき、それは果たして人間らしい生活と呼べるのかとか、必要最低限を残すと最後はどれくらいの人間が残るのかとか……そういうことをいろいろと考えていました。
米津玄師 ー音楽家は不要不急なものなのか?ー
出典は下に貼ってある記事です。ぜひ読んでみてください。
僕はこの文章が強く頭に残っていて、今回この曲を聞いた時たまたま思い出したのですが、その時に、もしかするとゲームにも同じことが言えるのではないかと思ったんですよね。
で、それを念頭に置きながら米津さんはこの曲を作ったのではないかと
要するに、例えば香川県の条例だったりとか、ゲームはいかにも不必要なものの代表だとされる世間の風潮の中で、じゃあ逆に何が大切なんだという米津さんからのメッセージがこの曲にも込められていると思うんです。
例えば「節々で全部下らねぇ」と突き放していたりだとか、「素晴らしいほど馬鹿馬鹿しい これぞ求めていた人生」と一見意味のないことも重要であることを示すような歌詞とか
背景を知らなければ「ダークな歌」で終わってしまうかもしれませんが、ただのダークな歌をCMの曲にする訳もありませんし、多分米津さんがみんなに「よく考えて欲しい」と伝えたいんだと思うんですよね。
米津さんは、過去にも初音ミク10周年の記念の曲に「砂の惑星」というダークなメッセージ性の強い曲を書いているので、今回も同じ感じなのではないでしょうか。
で、この解釈が正しいとすれば、一見意味の分からないMVも理解できるようになってきます。
MVや歌詞が意味していること
兵隊=現代人、君の歌を聞かせて=現実から解き放たれて個性豊かに遊んでみて!
さて、ようやくMV、歌詞の考察です。
といっても、僕は歌詞を細かく嚙み砕いて考察するのが苦手なので、大雑把で不満に感じたらごめんなさい!
最初に謝罪しておくことで、ハードルを下げておきます。
と、謝罪はさておき、まず最初に出てくるのは兵隊ですね。
この兵隊の一人にリモコン型の石が当たって米津さんに変身、米津さんが奇抜な格好で登場するわけですが
これって何を意味するかというと、兵隊=現代人、米津さん=ゲームによって現実から解放された自由に生きる人だと思うんです。
兵隊のように社会の規律に従って日々を送っている現代人、初っ端から皮肉が効いていますね。
また、米津さんの奇抜な格好は、常識にとらわれないということを表しているとも捉えられるでしょう。
で、そんな自由人が現代人を翻弄する、その様子がMVにも歌詞にも表れていますね。
どうしちゃったの皆 そんな面で見んな
まともじゃないよあなた方 あー喧々諤々さんざっぱら
雨に唄えば なんて晴れやかだ
さぞかし大層楽しかろ あーりんりんらんらんあっぱっぱらぱー
米津玄師「POP SONG」
米津さんからすれば、雨に唄うなんて考えてもみない現代人は変だと言いたい、あるいは雨に唄うことが気持ちいいにもかかわらず、それをすると変わり者扱いされる現代を悲しく思っている、そういうことを表現したいのではないでしょうか。
そして、サビで全部くだらねぇと切り捨て、2番の夢の中の世界に移行するわけです。
2番がなぜ夢の世界と言えるかは、この画像を見れば分かっていただけるでしょう。
そうです、ここの一瞬で眠りがじみーに表現されているんですね。
夢の中にやってきた自由人の米津さんですが、ここでも兵隊たちが整列し右に左に行進しています。
確証はもてませんが、夢の中でさえ満足に自由を満喫できない現代人のことを皮肉っている、そんな感じがしますね。
これに呆れ果て、自由に踊り狂い、ついでに猫足のバスタブでフライバイし
猫も自由な生き物ですからね。猫=自由=米津さんとも結びつけられそうです。
夢から覚めてもまた現代人を翻弄し…米津さんには目もくれず、周りでひたすら行進する兵隊の映像のパートに突入です。
この異様な光景に対して米津さんはどうかしているを連呼し、最後に君だけの歌を歌ってくれと歌っていますが
これは多分、無個性でひたすら周囲と同じ行動をする現代人に対する、米津さんの違和感が直接表れているのでしょう。
そしてラスト、めちゃくちゃキレのあるメロディーに、めちゃくちゃキレのいい歌詞が載せられている部分ですね。
素晴らしいほど馬鹿馬鹿しい これぞ求めていた人生
君は誰だ 教えてくれよ どうせ何もないだろう?
喧しいこと甚だしい これぞ価値のある人生
誰でもいいけど君がいいんだよ 愛を歌っておくれ
それもまた全部くだらねえ
米津玄師「POP SONG」
ちなみに、超どうでもいいのですが、個人的にめちゃくちゃ好きな部分です。
僕はここに米津さんの伝えたいことが全て詰まっていると考えています。
仕事に振り回されて、没個性的に社会の歯車となって働く現代人に対して、本当にその行為に意味があることなのか
ゲームや音楽は本当に生きるためには必要のないものなのか
馬鹿馬鹿しいことやくだらないことが、実は人生において価値あるものなのではないか
もっと個性的に生きてみたらいいんじゃないか
僕のバイアスも入っているのは否めませんが、それにしても素晴らしく尖ってますね。
まあ米津さんではないので、完璧に分かったとはとても言えませんが、それでもここまでかなり一貫した説明になっているのではないでしょうか。
そして最後の「それもまた全部くだらねぇ」ですが
ここはくだらないことがいいんじゃないかと呼びかけた後なので、捉え方を私たちに投げかけているのではないかと思っています。
「くだらないことも価値がある」というこの呼びかけをくだらねぇと捉えるか、「くだらねぇ」と他の人に言われながら、そこに価値を見出し褒め言葉だと捉えるか
感電の最後と同じ感じですね。
で、最終的には兵士達は米津さんからゲームを受け取って、現実から自由なゲームの世界へと解放されるという感じでしょうか。
まとめ
兵隊=現代人、米津さん=常識にとらわれないという意味で自由人!
下らないことに価値はないのか?という問いかけ!
節々に「愛」に関するワードが出てくるが、その意図は分からない!
いかがでしょうか。
あくまで一意見として読んで欲しいのですが、まあまあ米津さんやSONYが意図している解釈に近いのではないかと思います。
それにしても、ゲームのCMソングというテーマで、このMVに仕上がるなんて、やはり才能が爆発していますね…
これからも末永く音楽を作り続けて下さることを願っています。
この他にも、医学部の話や、僕の母校の灘高校の面白いエピソードなど色々書いているので、興味がある人はぜひ読んでみてください。
それではまた次回。
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