こんにちは、かずです。
今回は、医学部の授業ではどんなことを教えてもらっているかについて書いていこうと思います。
ただ、全学年の授業を書いていると、それこそ膨大な量になってしまうので、今回は皆さんが最も興味がありそうな、臨床医学に絞って何回かに分けて書いていこうと思います。
臨床医学は合計で20科目以上あるので、一回では紹介しきれないのです。
また、あくまで僕が授業を受けてきた中での記事であり、至らない点などもあるかと思いますので、そこはご了承ください。
それでは早速見ていきましょう!
臨床医学に共通していること
病気の仕組み、疫学、症状、診断、治療まで全て学ぶ!
臨床医学の各科目についてみていく前に、まず臨床医学では総じて何を学ぶかについて書いていこうと思います。
一部の例外的な科目はありますが、基本的に臨床医学では、疾患の発生機序、疫学(どんな人がかかりやすいか、なにが危険かなど)、症状、診断(どういう症状でどういう検査結果ならこの病気と判断するか)、治療について学びます。
このうち個人的に難しいと感じているのが疫学と治療で、この2つは似たような病気でも全く違うことがあるのです。
一番わかりやすいのが白血病の例なのですが、白血病の中にも実はいろいろな種類があり、タイプによってどういう人がかかりやすいかが違っていたり、治療法が違っていたりします。
このタイプは年齢が低いと発症しやすいが、この治療をすれば治りやすい、こちらのタイプは高齢者に多く、治療法はあまり確立されていない、なんていうのが7.8個あると考えていただければ、この難しさが分かっていただけると思います。
話が逸れましたが、臨床医学でどんなことを学ぶのか大体分かっていただけたでしょうか?
ではいよいよ各科目についてみていきましょう!
循環器
心臓や血液の病気を学ぶ!
最初に紹介する科目は、循環器です。
ほとんどの人はご存じだと思いますが、循環器では心臓や血管の病気について学びます。
といっても、実際には血管の病気は他の分野の病気と関連していることが多いため、基本的には心筋梗塞や心筋症、狭心症といった心臓病を主に扱います。
しかし、心臓病だけを扱うにしても、さっき挙げた病気以外にも、先天性の心疾患、不整脈を学んだりしますし、さらにエコーや心電図から心臓のどこに異常があるのかを読み取る方法まで勉強したりするので、なかなかのボリュームとなっています。
ちなみに、僕も大学2年生くらいまで全く心電図の価値が分からなかったのですが、勉強してみるとすごく考えられていて面白いので、興味がある方は調べてみてください。
ただし激ムズなので注意しましょう。
消化器
食道から大腸まで!
続いて紹介する科目は消化器です。
消化器では、消化管(簡単に言えば食べ物を通る管)の疾患について勉強します。
具体的に言えば、胃潰瘍とか、クローン病などと言った病気が、消化器疾患の代表例になりますね。
結構聞いたことのある病気が多いので、勉強もしやすいといえばしやすいのですが、どの科目にも厄介な範囲はつきもので、消化器の場合は癌の種類が多いのです。
この理由は、消化器だけ複数の臓器を一度に扱っているため、各部分の癌をいっぺんに覚える必要があるためです。
胃がんと食道がんと大腸がんを一気に勉強した日には、確実に頭がこんがらがると思いますが、ぜひ頑張りましょう!
呼吸器
肺の疾患について勉強する!
そんなに肺って重要なの?って思われるかもしれませんが、めちゃくちゃ大事です。
厚生労働省のページ(こちらから)を見ていただければわかるのですが、特に高齢者の死因では肺炎が上位5位に入っていますし、全体の死因でも肺がんでの死亡が上位5位に入っています。
さらに重要なのが、国立がん研究センターでのデータ(こちらから)を見ると、肺がんでの死亡が悪性新生物(簡単に言うとがん)の死亡の中で1位だということで、いかに肺が重要な臓器かということが分かっていただけたでしょうか?
そんな呼吸器の勉強内容ですが、主に肺がん、COPDなどの慢性の呼吸器疾患、気管支ぜんそくなどの身近な呼吸器疾患について学びます。
勉強する範囲はそんなにないように感じますが、実際には分類が山ほどあったりと見えていない部分でかなりのボリュームがあるので注意しましょう。
肝胆膵
この分野の病気は恐ろしい!
今回最後に紹介をするのは肝胆膵と呼ばれる、肝臓、胆嚢、すい臓の疾患を学ぶ科目です。
なぜこれらの臓器を一緒に勉強するかというと、消化器には入っていないが、消化酵素を分泌する役割を担っている臓器たちだからです。
消化器と一緒にしてしまうと、あまりにも消化器の量が多くなってしまうため、大学の試験の都合的にも分けられているのでしょうね。(ただしCBTのQBでは一緒になっています)
さて、これらの臓器の疾患ですが、臓器別に学ぶ内容に特徴があり、主に肝臓ではウイルスによる炎症、胆嚢では胆管という管がふさがることによる影響、すい臓では炎症が起こった時のことを中心に勉強します。
またこの他に、これらの臓器の癌についても勉強します。
この分野の疾患で、僕がすごく印象に残っているのが急性膵炎の話で、膵臓はいろんな種類の消化酵素を産生するのですが、それらが何らかの形で活性化されると膵臓が自己融解を起こしてしまうのです。
これが急性膵炎の状態なのですが、自分を消化、融解してしまうというところがすごく恐ろしく印象的でしたね。
気になる人はこちらを読んでみてください!ちなみにアルコールがリスクファクターなので、気を付けましょうね!
まとめ
臨床医学は学ぶことがいっぱい!
どの分野も奥が深い!
まだまだ学ぶことはあるよ!
いかがだったでしょうか?
これで20科目中4科目とまだまだ先は長いですが、順次紹介していければいいですね。
心配なのは婦人科疾患などでGoogleに引っかかることですが…まあ何とかなると信じましょう!
それではまた次回。
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